国内のさまざまな企業や組織で、不正アクセスやランサムウェアによる被害が相次いで公表されています。
被害は特定の業種に限らず、個人情報の漏えいやシステム停止など、事業活動に大きな影響を及ぼしています。特にランサムウェアによる被害は深刻であり、大企業だけでなく、中小企業も攻撃の対象となっています。
サイバー攻撃は、もはや特定の大企業だけの問題ではありません。

生成AIの進化により、サイバー攻撃の効率化や高度化が進んでいます。
ただし、現在の攻撃がすべて、AIによって新たに発見された脆弱性(弱点)を悪用しているわけではありません。
以前から知られているシステムの脆弱性や設定の不備を狙い、インターネット上の多数の企業を自動的に探索する攻撃が行われています。
攻撃者は、弱点のあるシステムを発見すると、そこから侵入し、個人情報や機密情報を盗み出したり、ランサムウェアによって業務を停止させたりします。
従来から存在する攻撃手法についても、AIの活用によって攻撃の速度や規模が拡大している可能性があります。

これまで、海外の攻撃者にとって、日本語の理解や自然な日本語による文章作成は、一つの障壁でした。
しかし、生成AIの進化によって、日本語のWebサイトや企業情報の理解が容易になり、自然な日本語による不審メールや偽サイトの作成も可能になっています。
つまり、日本語という言語の壁が、サイバー攻撃の障壁になりにくくなっているのです。

サイバー攻撃の対象は企業規模だけで決まるものではありません。インターネットに接続されたシステムに弱点があれば、中小企業であっても攻撃を受ける可能性があります。
だからこそ、まず重要なのは、特別な技術を導入することではなく、基本的なセキュリティ対策を確実に実施することです。
・OSやソフトウェア、ネットワーク機器に修正モジュール(セキュリティパッチ)を適用し、最新の状態に保つ
・類推されやすい簡単なパスワードを使用せず、十分な長さと強度を確保する
・不要な外部接続やアクセスを制限し、不正侵入の入口を減らす

新しい攻撃手法への警戒も必要ですが、まずは既知の脆弱性を放置しないことが重要です。
中小企業の事業継続と取引先との信頼関係を守るためにも、基本的なセキュリティ対策の重要性を改めて認識し、その徹底を支援していくことが求められています。
セキュリティ対策は経営条件です。